vol.31

「小児リハの責任とやりがい」

今年度7例目の、院長、事務長、総看護師長推薦の発信賞に輝いた記事です。
今回は小児リハを担当している作業療法士からの投稿です。

先日の朝の出来事でした。
小学校の当番で横断歩道の旗振りをしていました。
子どもたちを誘導していると目の前に一人の男の子が立っていて、僕の方をじっと見ていました。
どこか見覚えがあったので名札を見ると約5年前に外来リハビリで担当していたA君でした。
同じ校区なことも知っていて、5月の小学校の運動会でご両親に偶然会って話をしたところでしたが、A君に直接会うのは約5年ぶりのことでした。

僕が「Aくんやん。」というと同時にAくんから、「B先生ですか?ご無沙汰しております。」とあいさつをされました。
どっちが大人なのか…少し恥ずかしくなりました。

Aくんが小学校入学するまでの2年程度、外来リハビリで担当させて頂いていました。
リハビリが終了になってからもクリニックの発達検査を定期的に受けて頂いており、この春にも検査を受けに来ていたようです。
その時に対応した臨床心理士の先生から聞いた話ですが、検査を始める前に「B先生元気にしているんかな?僕もここでお世話になったんや。」としみじみと話していたとのことでした。

ジャネーの法則では人生は体感時間で20歳が折り返し時点だそうです。
そのため子どもの頃の時間は濃度が濃く、その後の人生に大きな影響があるそうです。
子どもたちのリハビリはその分やりがいもありますが、それ以上に大きな責任も伴います。

担当している子どもの人生まで変えようと大それたことは言えませんが、平和病院に行って楽しかったなとか、気持ちが楽になったなとか、少しでも良い思い出として残っていくような関わりができるように日々精進していきたいと思う今日この頃です。