自分の祖父は今年で90歳になります。
一人で暮らすことは困難になり高齢者住宅に入り、かるーい物忘れがあったり、スマホを使いこなせていなかったりはしますが、毎日日記を書き、自分の足で歩けています。
ここまで順調にきたのか,と聞かれればそうではありませんでした。
祖父が71歳の時に僕の母が他界しました。
祖父も辛かったとは思いますが祖母のほうがかなり落ち込んでしまい、祖母の前では「泣いたってどうにもならんやろ」と気丈に振る舞っていたのを覚えています。
母が他界して数日たったころでしょうか。
実家で寝ていると夢を見ました。
夢の中で電話が鳴っていたので電話をとると、相手は母で、祖父母を大事にしてあげて欲しい。と何度も懇願するのです。
親より先に死ぬのは一番の親不孝だと言うものですが、母もそれを思って夢の中で祖父母にとっての初孫にあたる自分にそのようなことを伝えてきたのかもしれません。
それからはちょくちょく祖父母の家に泊まりに行き、旅行に行けばお土産を持って行ったり、一緒に料理をしたり、時には当時勤めていた病院に祖母を入院させたり、自分にできることをしてきたつもりです。
祖父は、昔の人というという感じで、物心ついたころから祖父母の家に行っても怖い印象で、一言二言話をする程度でしたが、祖母が他界し、嫌でも話す機会が出来ると、当時の怖い印象はなく、とても温かみのある人間というのを知り、自分が勝手に怖いと思い込んでいたんだなと反省しました。
母との約束がどれくらい守れているかはわかりませんが、こうして祖父が90歳を迎えることができると思うと、少し誇らしく思います。
これからも祖父の元にもちょくちょく顔を出して孝行できたらいいなと思っています。