vol.64

「平和への想い」 医局事務課事務

高松平和病院に就職して誇りを持てることの一つは、平和に関する学習や行動ができることである。

父方の祖父の召集と戦争体験、もれなくつきまとった戦後の貧しさと苦労。
父は大学に進学したかったが経済的に断念を余儀なくされたことをずっと後悔している。
叔母の病死も栄養不良や、貧しく受診させられなかったと聞いた。

母方の祖母は、裕福な家庭で育ったので大学教育まで受けられ高校教員になり、晩年は華道と茶道の師範として人生を楽しんでいた。
私が患者や組合員から戦争体験の聞き取りをした経験を何気なく祖母に話を振ったら、戦後GHQの通訳として雇用されていたことや戦後に家業が傾き廃業したこと、教え子を戦場に送りたくない思いで教育に関わっていたことを教えてくれた。
30歳代だった私が初めて聞く話だった。
祖母は癌末期で、それ以降詳しく聞くことは叶わなかった。

祖父母が過ごした過酷な時代はたった80年前。
現代は平和だろうか?安保法案、特定機密保護法、有事には日本の自衛隊がアメリカ軍の指揮下に入ることなど、じわじわときな臭くなっていて身近な問題から政治のレベルまで平和の課題は多い。

平和じゃないと医療はできない。
平和へ関心が向き、行動できる職員育成をしたいと思う。