vol.71

「平和への想いのルーツ」 事務長室 事務

今から34年前、当時大学1年生だった私は、大学生協の学生委員会に所属し、大学生の暮らしを良くするため、新歓時期を中心に購買生協を使いやすい所にしていく活動に参加していました。
その学生委員会活動の中に「平和・ユニセフPJ」というチームがあり、その活動目的は「平和でなければ大学生活は成り立たない」ということで、いくつかある担当の中の一人となり、いろいろな経験をしました。
署名活動(当時はヒロナガアピール署名)、平和行進(東京→広島コース)に参加したり、8/6広島原爆の日に合わせ、現地での平和ゼミナール「PEACE・NOW」(ピースナウ)への参加など、今考えると結構な濃度で参加していたと振り返っています。

中でも印象に残っているのは平和行進への参加でした。
行進の本隊が岡山に来るとある1日に参加しました。
大勢の人が歌を歌いながら、沿道の住民や車に手を振って平和を訴えながら目的地に向かっていました。
また要所で署名活動もしながらだったのですが、私はその署名を取っていくことを任されていました。

その中で通行人に声を掛けた所、戦争体験について「戦時中は日本が負けることは考えていなかった。そんな情報は何もなかった。今考えると現地で起こっていることなど知ることは無いし教えてもくれない」等、お話をお伺いし、当時の私は「そうですよね」という言葉しか返せなかったこと、そんな軽い気持ちで参加していた自分自身に腹が立ったと記憶しています。
その話が長引いたせいで平和行進本隊から大きく遅れ、終結場所の岡山市役所で自分が行方不明になったと騒ぎになり、迷惑を掛けたこともあり、忘れられない出来事となりました。

大学生協での経験を活かせるのではないかということもあり、香川医療生協に入職して約30年が経過しました。大学時代ほどの熱意と行動力は衰えてきましたが、それでも私たちが毎日医療・介護活動が継続できるのも、少なくとも日本は戦後80年間戦争に巻き込まれていないこと、その根拠である「憲法9条」がそれを守っていると思います。
これからもずっと平和な社会が続くよう「できる範囲でできること」を取り組んでいきたいと思います。