7月初旬に福岡で開催された第30回緩和医療学会学術大会に参加してきました。
昨年までの数年間、神戸で学会が開催されていたということもあり、学会の時期になると外部の病院で研修をしていたころを思い出します。
今年も例年通り、研修時代を思い出し、学会終了後、一緒に研修をしていた関本剛(せきもとごう)先生の書籍「がんになった緩和ケア医が語る「残り2年」の生き方、考え方」を読み直しました。
関本先生は、私より7学年上の先輩で、高校時代から緩和ケア医を志し、消化器内科医としてがん診療を学んだ後に緩和ケア医になった、大変志の高い先生でした。
しかし、決して偉ぶることなく、気さくで、ユーモアを持ち合わせた、人格的にもすばらしい方でした。
緩和ケアの草分け的な存在で有名なお母様の後を継ぎ在宅クリニックの院長に就任された数年後、42歳という若さで肺癌、多発脳転移、stageⅣと診断されました。
前述の本は、タイトル通り、病気診断後の気持ちの揺れ動き、考えてきたことなど、緩和ケア医として、1人の人として、先生自身の生き方、考え方を書き記した本になります。
本の中で関本先生は生き続けていて、先輩医師として語りかけ、緩和ケア医として大切にしていること、死生観について「先生はどう思う?」と問われている気がしました。
「先々を考え行動していく」ということが私は苦手ですが、関本先生のように周囲の人への感謝の気持ちを忘れず、「今」の気持ちを大切に。今がベストでなくても、自分が選んだこと、選んだ道が最善だと思えるように、生きていきたいと思いました。
You tubeには生前、関本先生が自分の葬儀で流すために撮影した動画をみることができます。
関本先生、私もそのうち逝きますので、天国か地獄かわかりませんが、あの世でおいしいお店やお酒を教えてくださいね。