118

「同じ時間を過ごして」 緩和ケア病棟看護師

院長、事務長、総看護師長推薦の発信賞に輝いた記事です

「お姉さまは夕方面会に来られ、窓際のソファで腰かけAさまの様子をみていました。
看護師が声をかけると、「ウトウト寝ているから」と声をかけずに見守っていました。
お姉さまは「看護師さん、私の顔を見ると妹が辛そうになるのがわかる。高松弁で「いなせて」って言うんよ。それを聞くんが辛くてな。家に帰っても私も辛いんよ。妹もこんな姿を私に見せたくないんやと思う」と話されました。

Aさまは入院当初、お姉さまには迷惑をかけたくないと話されており、お姉さまが来ると「はよ、帰りまい」と姉を気遣っている様子が伺えました。
病状が進行して傾眠傾向となり、ぼんやりすることも多くなる中でAさまに「お姉さん来てくれましたよ」と声をかけると、お姉さまの声を聞き「帰らせてよ、もう帰る」とベット柵を握り起き上がり足を柵から下ろそうとすることもありました。
お姉さまは「こんなに動けて元気なんやな。けど看護師さんに迷惑かけるな。次来ても寝よったら声をかけずに帰るわな」と言われることもありました。

姉妹で過ごす時間は重苦しい感じはなく、ゆっくりとした時間が流れていきます。
一緒に過ごすことでお互いがお互いのことを思いやり、どちらがかけてもいけない存在であること、またお姉さまの思いも再確認する事こともできました。

看護師は家族にはなれないですが、その時間を共有することで少しずつ距離を近く感じることができました。
Aさまとお姉さまとの時間を一緒に過ごすことで心がじんわり温かくなり、私が元気をもらっていることにも気づきました。

Aさま。お姉さまとの時間を一緒に過ごさせてもらってありがとうございました。
低い声でゆっくりと私たちに言ってくれたAさんの「ありがとうー」の言葉は忘れません。