院長・事務長・総看護師長推薦の発信賞に輝いた記事です。
「受け持ち患者様Aさまのことを書きたいと思います。
緩和ケア病棟の患者様は主治医の先生から許可あれば、嗜む程度の晩酌が出来ます。
Aさまは毎晩焼酎の水割りの晩酌を楽しみます。
夕食と一緒に焼酎を持っていくと「あんたはなサービスがいいけんな、水もってきといてよ」時には「昨日はかなり濃かってえらかったわ」
と苦笑いされるときが多くありました。
夜勤看護師はAさまの好みの濃さの焼酎が作れるか悪戦苦闘します。
Aさまの水割りの希望は2:8です。
看護師同士で「この匂いかいでみて、濃い?だいじょうぶかな」と「えー濃いよ、もっと薄いほうがいいんじゃない」「でもこれ2:8ではかったんやけどな」「調子が良くないんかも1:9でもいいかも」とこんなやりとりをしながらもAさまは看護師が作る焼酎の晩酌を楽しみました。
病状が少しずつ進み焼酎も飲めない日、半分しか飲めない日があったりする中で、「最近はみんなちょうどいいようにつくってきてくれよる、大丈夫」とジェスチャーでOKサインをし笑顔で答えてくれました。
この記事を書いた翌日、急激な病状の変化によりAさまは旅立たれました。
前日の夕方も晩酌でき、最期まで晩酌を楽しむことができました。
Aさまは入院時から晩酌をして過ごしたいと希望があり、Aさまの思いに寄り添えたこと、焼酎をとおして信頼関係を少しずつ深め関わる事ができたこと、Aさまと過せた日々は大切な時間となりました。
天国でもたくさんお酒をたのしんでくださいね。」

